ハイサイ!
設計の岸田です。
先週末は関東に出張に行ってきました。
メインはつくば市で開催中の里山住宅博です。
コモン(みんなの庭)を各住宅の間に配置し、自然や風景を分かち合い、気持ちよく住み合える街づくり。
をコンセプトに様々なアプローチを試みた住宅が創られています。
梅雨明け前でしたが晴天に恵まれ、筑波山のふもとにあるこの里山にはとても心地よい風が吹いていました。
沖縄県出身の建築家、伊礼智さんや堀部安嗣さんをはじめ茨木のレベルの高い工務店が出展する見どころが満載
の住宅博です。すべてをまわることはできませんでしたが、気になったいくつかをご紹介したいと思います。
まずは、伊礼智さんの平屋の住宅です。
一見、目立たないこじんまりとした住まいですが、この佇まいがなんとも美しいと思いました。
里山を借景としていくつもの緑のレイヤーで建物の存在を消し去っています。
吟味されたディティールで丁寧につくられており、職人の高い技術が見受けられます。
弊社が目指している「調和(HARMONY)」のデザインがすでに高いレベルで完成されているのを
見ると、本当に素晴らしい!の一言です。(;^ω^)/
続いては、堀部安嗣さんの「つくばのベーシックハウス」です。
腰屋根や下屋、つくばの里山周辺に残る民家や蔵をモチーフとしながら、空気集熱や重力換気といったパッシブな環境
コントロール手法を使って、「なつかしい未来の家」を創られています。
外見はこちらもこじんまりとした可愛らしい印象ですが、そのイメージを創るために各部のボリュームを相当抑えてあり、
プランを突き詰めて推敲した果実の部分が残されています。
中に入ると中央の6帖の吹き抜けがとても心地よい。
吹き抜けの上は腰屋根の採光・換気装置があり、HARMOでも提案してる環境デザインの
視点は他の建築家も重視していることがわかりました。
こちらは菊池工務店さんの住宅です。
現代版の数寄屋づくりの家といった感じです。薄いシャープな軒先で屋根をひらりと軽やかにかけています。
けんちく工房 邑(ゆう)さんの住宅です。
木の素材感とシンプルさが全面にでた、素朴で素直にいいな。と思える平屋でした。
ぜひ沖縄でもこんな木に素直な家を創りたいと思いました。
長屋スタイルの家もありました。
外には共同の菜園があり、みんなで育てている雰囲気がとても良かったです。
暮らし方に共通点のある家族が色んなものをシェアしながら住まう長屋スタイルがとても目新しく映りました。
この里山博は50件もあるので、とてもまわりきれませんでしたが一番心に残ったのは、
「心豊かに暮らせる木の家づくりを大切にしたい」という想いです。
簡単に貼り合わせでつくる住宅が多い中、様々なプランを立て、工法を組み合わせ、素材を吟味し、職人の高い技術で丁寧に造る。
目に見える部分はほんの僅かですが、美しい佇まいを創るには目に見えない部分が大切なのだと気づかされました。
11月末まで開催されているようですので、木の家づくりに興味のある方は是非足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
里山住宅博inつくば2019