「長期優良住宅」が沖縄で注目されている理由とは
沖縄では、亜熱帯の気候風土に根付いた木造住宅が昔から建てられてきました。今では古民家として見かける住宅は、環境に適応した美しさと機能性を兼ね備えた素晴らしい住宅様式です。しかし、昔は構造・省エネ・施工の統一された基準がないため、その品質は建てる業者にまかされることが多く、耐久性にも差が出てきます。
長期優良住宅とは、長期間にわたり良好な状態で使用できるように設計・施工された住宅で、国が定めた基準を満たすことで認定されます。従来の建てて壊す住宅市場から、質が高く100年以上の長期にわたり住める家を目指して創設された認定制度です。このような高性能の住宅をこれからのスタンダードとする事で、環境への負荷を抑えながら良好な市場を形成し、施主様にとっても住まいの資産価値の向上に繋がります。
沖縄の古民家の良い所を受け継ぎながら、現代の基準を導入することで、沖縄の自然を取り入れながら、長期にわたり安心して快適に暮らせる次世代の住まいを建てることができます。
次に長期優良住宅に認定されるための基準を説明します。

長期優良住宅に認定されるための主な基準とは
安心して長く住み続けられる家にするために、下記の8つの項目の基準が設けられています。
- 劣化対策: 住宅の耐久性を確保するための措置
- 耐震性: 地震・台風に対する強さが求められる。耐震等級2以上
- 維持管理・更新の容易性: 将来的な修理や点検がしやすい設計
- 省エネルギー対策: エネルギー効率が高いこと。一次エネルギー消費量等級6
- 居住環境:良好な居住環境を維持するための配慮
- 住戸面積:良好な居住水準を確保するために必要な規模を有する
- 維持保全計画:適切な維持保全計画の策定
- 災害への配慮:自然災害による被害の防止や軽減策がとられていること
これらの基準をクリアすることで、安心して長く住み続けられる家となります。

沖縄にふさわしい長期優良住宅とは
沖縄は亜熱帯海洋性気候に属し、年中温暖で冬がなく自然に恵まれた魅力的な地域です。しかしその一方で、台風やシロアリ、高温多湿など、住宅にとってはさまざまな脅威が存在します。こうした地域特有のリスクに対応するためには、単に国の基準を守るだけでなく、亜熱帯に適応した施工法を取り入れることが不可欠です。
たとえば、強風や豪雨に耐えるための高強度の構造体やシロアリ・カビ・塩害対策として防蟻・防腐処理、また高温多湿な気候に対応した湿気対策・通気工法、夏場の日射遮蔽・エアコンの効率を高める断熱性と気密性の向上が求められます。これらを踏まえたうえで、長期優良住宅としての性能を確保することにより、安心・快適な暮らしを長く支える住まいが実現します。
沖縄での住まいづくりは、自然と共生しながらも、地域特有の脅威にしっかり備えることが鍵です。未来を見据えた住宅選びには、地域性を理解した設計・施工が欠かせません。

沖縄で長期優良住宅を建てるメリット
沖縄は台風の常襲地域。長期優良住宅は耐震・耐風性能が高く、強風や豪雨に耐える設計が求められるため、自然災害への備えとして非常に有効です。
高温多湿な亜熱帯気候では、シロアリ被害や漏水が深刻な問題になりがち。長期優良住宅では、防蟻処理や通気性の高い構造が標準化されており、建物の劣化を防ぎます。
また、一般住宅と比べて断熱性の基準も高く、日射熱を遮りながら冷房効率が良く光熱費が抑えられる省エネ住宅を建てることができます。
長期優良住宅には、税制上の優遇措置や補助金が受けられるなどの金銭的なメリットがあります。
■住宅ローン控除
一般住宅に比べて、控除対象額が2000万円UP。13年間の最大控除額の差は182万円!
■不動産取得税
一般住宅より課税標準からの控除額が増額されます。
不動産取得税の控除額一般住宅:1,200万円 → 長期優良住宅:1,300万円
■登録免許税
所有権保存登記の税率一般住宅:0.15% → 長期優良住宅:0.1%
所有権保存登記の税率一般住宅:0.3% → 長期優良住宅:0.2%
■固定資産税
一般住宅より減税措置の適用期間が延長されます。
減税措置の適用期間一般住宅:3年間 → 長期優良住宅:5年間
■補助金制度の対象になる(2025年度は80万円)
また、国の基準に基づいた高性能住宅であるため、資産価値が下がりにくく、将来的な売却や相続の際にも有利です。定期的なメンテナンスを前提とした設計で、世代を超えて住み継ぐことが可能です。

沖縄の長期優良住宅の設計ポイントとは?
1)耐震等級3、断熱等級6を標準に
国の基準では耐震等級2以上ですが、ハルモデザインでは耐震等級3を標準として設計をすすめます。
一級建築士によるデザインと構造計画で、お客様の理想の空間と強靭で高耐久な住まいを実現します。
沖縄ではUA値(外皮平均熱貫流率)の基準がない「8地域」に分類されており、断熱等級の区分がありません。冬がない地域ということで、断熱性がそれほど重要ではないという見解のようです。しかし、夏場の日射が強く冷房費の負担が大きい亜熱帯地域だからこそ、日射遮蔽と断熱材と通気を一体で設計・施工は必須であり、快適で省エネ性能の高い住まいになります。

2)シロアリ対策
シロアリに対しては、外部と縁を切る気密断熱基礎を採用、さらに底盤を犬走と一体で打設することで、シロアリの侵入を防ぎます。
さらに柱や梁といった構造材に、人体に影響の少ない防蟻剤を加圧注入します。建て方後に塗布方法に比べて、木の内部にまで防蟻剤を含侵させることで効果は半永久的に持続します。また、基礎と土台の間に防蟻部材メーカーの気密パッキンを使用することで、最長30年のシロアリ被害保証を受けられます。長期にわたり安心してお住まい頂けます。

3)湿気・カビ対策
沖縄では年間の平均湿度が70~80%、梅雨時期や真夏は90%に達することもあります。内地と比べて30%も違う亜熱帯気候では、冬型結露より、夏型結露に気を付ける必要があります。木の躯体の内部に湿気が流入すると、エアコンで冷やされた内部ボード面の裏側で結露しカビが繁殖します。ハルモデザインでは高湿度の外気を外部耐力面材でカットし、さらにウレタン吹付による高気密施工で湿気を内部に入れません。万が一内部に侵入した時も、内部の湿気を吸放湿する機能性面材を標準仕様にすることで、木の軸組を健全な状態に保ちますのでカビの心配がありません。
長期優良住宅への認定までのスケジュールと必要な書類とは
長期優良住宅の認定までのスケジュールは大きく3つに分かれます 1)プランや仕様の確定2)第三者機関での設計図書・性能評価書等の審査3)行政庁による認定通知書の発行 最近では、長期優良住宅が補助金の対象になっていることもあって申請が増えており、第三者機関の審査から行政庁の認定まで2か月くらいかかることもあります。着工予定日が決まっている場合は、早めの準備をおすすめします。

長期優良住宅のコストと費用対効果とは
ハルモデザインでは以前から長期優良住宅に準拠した家づくりをおこなっておりますので、建築費の追加費用は特にございませんが、申請時に図面作成料と評価機関への申請料が必要になります。長期優良住宅は国の指針で耐用年数100年を認められた住宅です。
(「中古戸建て住宅に係る建物評価の改善に向けた指針」2014年 国土交通省による)
従来40年ほどで解体されていた住宅では代が替わるごとに建築費が必要になりますが、長期優良住宅は、3世代以上にわたって住み続けられます。数十年後ごとにリフォームする時も、構造体がしっかりしていれば、屋根と外壁を葺き替え、内部をリフォームすれば新築同様によみがえります。
100年間のライフサイクルコストで考えると、一般住宅よりもコストパフォーマンスははるかに優れているといえるでしょう。
長期優良住宅の実例


長期的に安心して暮らせる住まいをつくる
人生100年時代と呼ばれる現代において、住まいは単なる「生活の場」ではなく、将来への備えとしての重要な資産となっています。
今だけでなく、10年後、30年後、さらに次世代に継承できる設計や性能が求められます。
ハルモデザインは、自社で設計・施工するアーキテクトビルダーとして、創業時から長期優良住宅の基準を採用し、さらに亜熱帯に必要な仕様を加えながら、沖縄に最適な木の家づくりに取り組んで参りました。
安心してずっと暮らせる長期優良住宅の性能と、お客様のイメージを実現する設計力で理想の家づくりをサポート致します。相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせ下さい。
一級建築士/一級施工管理技士 代表 岸田 匡史(きしだ まさふみ)
TEL:098-996-4810 (営業時間:08:30~18:00)
901-0241 沖縄県豊見城市豊見城574-20 がじゅまるビルヂング102
建築士事務所登録番号 沖縄県知事登録 第192-3533号
一般建設業許可番号 沖縄県知事 許可(般-5)第14926号













