沖縄の家づくりの特徴とは?

沖縄県は亜熱帯海洋性気候で高温多湿で年間の気温差は小さく、冬期でも16℃前後の暖かさで、10℃を下回る日はほとんどありません。一方夏季は30℃を大幅に超える日は少なく、相対湿度は高いですが風速が大きいために涼しさを感じることもあります。低緯度のため太陽高度が高く、紫外線は東京の1.5倍もあります。台風の常襲地域であるので、住宅の安全面に配慮する必要があります。

また、鉄筋コンクリート造住宅の家が多く、他県では木造の住宅が多い状況と異なる住宅事情があります。沖縄県の取り組みとして、「沖縄の風土に適した家づくり」が進められており、その普及啓発が進められています。その取り組みとして、沖縄県土木建築部住宅課より、沖縄の風土に根ざした住宅づくりの手引書も発行されています。

「沖縄の風土に適した家づくり」手引書

ここでは、沖縄の風土に合わせた家づくりについて説明します。

沖縄戦後普及した鉄筋コンクリート住宅

沖縄は戦争でほとんどの住宅家屋が消失してしまった為、戦後に2×4(ツーバイフォー工法)による木造の「規格住宅」が提供されました。しかし、度重なる台風とシロアリの被害により、建物の強度や住み心地に不安がありました。それに対して、コンクリートブロック造で作られた米軍家族向け住宅は、台風の被害がほとんどなかったことや基地建設による技術の蓄積で、沖縄県内の住宅建築は木造からCB造、RC造住宅へと移行していきました。

そのため、沖縄県の家の約8割をRC造住宅が占めています。年配の方々が木造住宅よりRC造住宅を造りたがるのは、昔の木造住宅の材木が細く、接合部も弱かったため耐久性に乏しかった。また、屋根防水施工が不十分で、台風時にしばしば漏水した経験が記憶にあるからだと思います。

しかし、近年ではほぼ全ての建築業者の新築には住宅瑕疵担保履行法や業界団体が推奨する仕様規定を遵守しており、木造住宅でも過去に受けたような被害はほとんど見られなくなりました。

【参考リンク】木造住宅でもRC住宅並みの耐久性が可能

沖縄の自然と向き合いながら家づくりをすることが大切

『沖縄の気候はとにかく暑くじめじめしていて不快指数が高い。台風時は災害級の被害がでる』
というマイナスのイメージで語られることが多いです。しかし、一年の半分は比較的過ごしやすい時期にあります。
若草が芽生える「うりずん」と呼ばれる季節や長い夏を終え、旧盆を迎える9月から11月までは、沖縄の最高の季節です。冬でも10度を下回ることがなく、外でキャンプも楽しめます。どんな地域でも良い気候もあれば過ごしにくい気候があると思いますが、建築的な工夫で快適な住まいを実現できます。風の流れ、太陽の動き、気温の変化など自然環境を学び、その風土に合わせた家を造ることが大切です。

1.遮熱・断熱で熱の侵入を抑える

沖縄では日中外にでることが出来ないくらいの直射日光が降り注ぎます。
沖縄の家づくりでは、この直射熱を家に入れない事、エアコンの冷気を外に逃がさないように遮熱・断熱をしっかり行う事が住み良い家を作るポイントです。

そこで、日射しを遮る必要のある箇所として、屋根と西面に注意を払いましょう。
屋根面は、強烈な日射しと紫外線、暴風雨など過酷な環境にさらされる部位です。
遮熱効果の高い屋根葺材と下地材を使って直射日光を遮りながら、小屋裏に熱気が滞留しないよう十分な換気口を設ける。さらに熱が室内に進入しないよう天井裏にしっかりと断熱材を設けると良いでしょう。

夏場の西日は、住宅の室内の奥まで熱を届けてしまうため、家を暑くする大きな要因です。そのため、西日を上手に遮蔽するような家づくりが重要です。壁下地に遮熱シートを張り、断熱材を充填した上で開口部に半樹脂サッシ+LOWE複層ガラスを採用して熱の侵入を押さえ、室内の温度が上がらないようにする事で、エアコンなどの電気代の節約になります。また、冬場は家の中を温めるように日射しを屋内に取り込むなど、うまく日射をコントロールして自然光を利用すれば省エネに繋がります。

躯体の外側に付加断熱(外断熱工法)することで熱橋(ヒートブリッジ)のない安定した温熱環境を実現できます。この工法では気密性も確保できますので、より計画的な換気・空調が行え、光熱費がかなり抑えられる省エネ住宅になります。

参考:環境性能の高い木造住宅

2.沖縄の家は台風・暴風雨対策が必須

沖縄の災害の原因のほとんどは台風による暴風で、台風と家づくりは密接につながっているといえます。
強烈な台風は毎年数回来襲し、風速は60M以上になることもあります。

住宅の耐用年数50年として150回以上猛烈な台風にさらされます。
一度で倒壊はしませんが、強烈な揺れによる歪みが蓄積すると危険性は高まります。

そこで重要なのが構造計画です。弊社は開放感のある吹抜けの木造注文住宅が多いのですが、水平力を担う床面が減少するために要所で構造を補強する必要があり、このシュミレーションを意匠構造一貫のCADで行うことで、リアルタイムに耐震性を確認し、設計に反映させていきます。

また暴風雨による雨の進入にも注意する必要があります。台風時は風洞実験さながらの猛烈な暴風雨にさらされます。
どこからでも水は侵入する可能性があり、屋根や軒、換気口、サッシや外壁の継ぎ目等は重点管理項目になります。
さらに、万が一雨が侵入した時に備えて2次防水をしっかり施し、雨水を速やかに排水するような施工が必要になります。
弊社では、沖縄で木造建築の経験が豊富な設計士・施工管理技士の資格をもつスタッフが設計・施工管理しますので安心してお任せ下さい。

【参考】HARMOの台風対策とは?

3.シロアリ・カビ予防のために湿気対策を行う

沖縄は1年を通して湿度が70%を超える月がほとんどという高湿な特徴のため、住宅の湿気対策は必須です。湿気は家を木材・金属などを腐らし、結露を発生させ、カビの原因を作り、害虫被害を起こすなど、家にとって大敵です。湿気からカビが発生するとダニも繁殖し、アレルギー、アトピー、鼻炎、喘息などの原因にもなり健康にも直接関係します。

高温多湿を好むシロアリを入れないためにも住宅の湿気対策を十分しましょう。湿気が溜まりやすい場所としては、床下、壁、小屋裏等があります。

当社の木造注文住宅では湿気を排出する方法として、通気工法で風の循環により湿気が滞留しないようにしています。また室内には調湿機能をもったスカットボードの上に通気クロスを壁と天井に張ることで湿気をコントロールしています。
また、新築時に高気密高断熱仕様を選択される場合は、全熱交換型の第一種換気とすることで、より質の高い換気が行えます。

4.沖縄の自然を活かした家づくり

上記の遮熱・断熱対策、台風・暴風雨対策、湿気対策は沖縄の自然の脅威に抗う対策方法ですが、これからの沖縄の家づくりで一番大切なのは沖縄の豊かな自然の恵みを取り入れることです。降り注ぐ光・心地よい風、雨の音、外の風景や地域の風土等、全てが人を育む素(もと)となり、私たちは毎日そこからエネルギーを頂戴しています。沖縄の風土をいつも感じさせてくれる柔らかいシェルターのような家が理想です。心地よく暮らせるように環境をコントロールする為の様々な建築手法がありますが、どれを選択すればどのような効果があるか、新築の打合せをしながら選択するとよいでしょう。

他にも国産材や漆喰・赤瓦等の沖縄の建材を使って地産地消の家づくりをすることも環境を守り育てることに繋がります。

沖縄の気候風土に合わせた住宅建築だけなく、省エネ・創エネができる木造住宅、家族それぞれが快適に生活できる家づくりを提案していますので、新築、注文住宅を建てる際は、当社のコンセプトや機能を参考にしてください。

HARMOdesignでは、お客様から理想の住まい像を詳細にヒアリングし、ねらいの住環境性能を実現することで快適で満足度の高い住まいをご提案致しますので、是非、一級建築士に一度、お話をお聞かせください。

2/10豊見城市総合公園近くにて見学会を開催します。詳細は以下のページへ

一級建築士事務所 HARMO design(ハルモデザイン)
一級建築士/一級施工管理技士 代表 岸田 匡史(きしだ まさふみ)
TEL:098-996-4810  (営業時間:08:30~18:00)
901-0241 沖縄県豊見城市豊見城574-20 がじゅまるビルヂング102
建築士事務所登録番号 沖縄県知事登録 第192-3533号
一般建設業許可番号 沖縄県知事 許可(般-5)第14926号

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ハルモデザイン、ホームページ担当
自分もハルモデザインの施主として、注文住宅の建築実績あり。
自身の経験を活かし。これから家づくりをするお客様へ木造住宅の良さを発信中。

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